こんな本を読みました。
「老化」を治療して150歳まで生きられる未来がくるかも
「老い」を「必然」ではなく「病気」としてとらえ、適切に治療することで健康的に寿命を延ばすことができることがわかってきたのだそうです。
老化の唯一の原因は、エピゲノムというアナログ情報の喪失であるから、エピゲノムを安定させることができれば老化を食い止めることができ、場合によっては部分的に若返ることも夢ではないとのこと。
DNAがデジタル情報なら、エピゲノムはアナログ情報で、DNAの遺伝情報がどのように働くかを調整するメカニズムのことだそうです。
老化に伴うさまざまな疾患を治療し、寿命を延ばす医療技術は進展していますが、治療しても健康寿命は向上しないため、老化そのものにアプローチして防ぐ必要があります。そのための新しい治療薬の開発、個々の健康データを24時間監視できるバイオセンサーの開発などが進んでいるようです。これにより、将来人類が150歳まで普通に生きることが可能になるかもしれない。
老化の治療によって人類が健康的に150歳まで生きられるようになったら・・・
お金持ちの人だけが超長生きして一般人は治療どころか食料確保で精一杯で、下手したら平均寿命まで生きられないかも・・・って思ってしまうのですが、どうでしょうね?
まずは、老化の原因について
この本によると、老化は次の「典型的特徴」が組み合わさったもので、この問題に対処すれば、老化を送らせて、老化による病気を未然に防ぐことができるのだそうです。
- DNAの損傷によってゲノムが不安定になる
- 染色体の末端を保護するテロメアが短くなる
- 遺伝子スイッチのオンオフを調節するエピゲノムが変化する
- タンパク質の正常な働きが失われる
- 代謝の変化によって、栄養状態の感知メカニズムがうまく調節できなくなる
- ミトコンドリアの機能が衰える
- ゾンビのような老化細胞が蓄積して健康な細胞に炎症を起こす
- 幹細胞が使い尽くされる
- 相間情報伝達が異常をきたして炎症性分子がつくられる
長寿遺伝子を働かせるために誰でも取り組めること
体を「ぎりぎりの状態」に保つことで、サバイバル回路が始動し、エピゲノムの変化を最小限に留めて老化を遅らせる
食べる量を減らす
1日3食のうち1食抜いて空腹状態を作る、週に2日は総カロリーを75%程度に減らすなど。
肉や乳製品の摂取量を控える(アミノ酸の摂取量を控える)
mTORという、タンパク質合成などの働きをする酵素をあまり働かせないようにすることで、細胞がサバイバル状態になり、不完全なタンパク質を再利用するようになるなど、厳しい時期を乗り切ろうとする。
アミノ酸の中でも特に、メチオニン、アルギニン、ロイシン、イソロイシン、バリンの摂取量を減らすと効果がある。どれも体に必須だとはいえ、すこしあれば十分。
プロテインドリンクにはロイシンが大量に入っていて、筋肉増強にはつながるけれども、サバイバル回路が働かなくなる。
運動する人ほどテロメアが長い
運動のストレスによってサバイバル回路が作動し、テロメアの劣化を防ぎ、新しい微小血管ができ、ミトコンドリアの活動が高まる。
運動のなかでも「高強度インターバルトレーニング」の効果が高い。
寒さに身をさらす
褐色細胞は寒さの中で体温を保つためにエネルギーを消費する役割があり、褐色細胞を多く含む動物や、震える寒さに毎日3時間ずつさらされた動物は、糖尿病や肥満やアルツハイマー病になる確率がきわめて低いのだそう。(ただし人間ではまだ検証されていない)